2017/04/19 20:09

想像をこらした未知の生物から表情豊かな身近な動物まで

江戸の絵草紙屋にタイムスリップ。眺めて飾って細部を味わう60枚
絵草紙屋の店先で気に入った絵を選ぶように、1枚の絵をB5判の1ページ大で楽しむ趣向の「めでる国芳ブック」シリーズ第3弾。




全作品に日・英解説がついており、本としても読めますが、切り離すことができる仕様となっています。江戸時代の人々が絵草紙を楽しんだように、現代の私たちが作品を雰囲気を楽しめるよう、考えてみました。気に入ったものを1枚ずつ切り取って、自由に楽しんでいただくのが、本書の正しい使い方です。

第3弾は、「ねこ」編とは別に編んだ、「どうぶつ」編です。
思わず抱き上げたくなるかわいい子犬や、巨鯨・大緋鯉・鰐鮫などの恐ろしい題材をダイナミックに描いた三枚続の作品群、はたまた表情豊かな金魚や蛸・雀といった国芳お得意の「人を演じる動物」。どれも命を持つものへのあたたかい想像力があふれ出ています。人が動物に抱く観念や神秘を感じとり、人との関係を多彩な形で表現した、国芳の動物画をめぐる1冊。
「かわいい動物の絵には昨今恵まれている。しかし、それだけではない、もっと多様な、もっとありのままの人と動物の関係はどうだろうか。国芳の作品には、ストレートにそれが表れているように思う。世界的にみて、日本は動物をめぐる多彩な美術を営んできた国である。それを生み出したのは、複雑な人と動物との関係と、それを具現できる国芳のような画才である」。(本文:HPより)